“Simple is best”の本来の意味は?シンプルとは一体どういうことなのか?
「シンプル イズ ベスト」
仕事での会話、日常での会話の中に、よく使われるフレーズです。
とても心地の良い響きで、内容も分かりやすいので、この言葉自体が、否定的に捉えられることはあまりありません。
しかし、私は、この言葉をあまり使いません。非常に危険な意味合いを持っているからです。
仮想通貨の例
「仮想通貨って、儲かるよ。」
これは、何を持って、儲かると言っているのでしょうか。
仮想通貨の価値が上がるか下がるかは2分の1の確率のはずです。
損をする人がいるから得をする人もいるのです。
おいしくないとは言いませんが、そんなにおいしい話でもありません。
儲かる時期もあれば、儲からない時期もあります。
2017年のはじめ頃に通貨を買った人は高騰の恩恵を受けることができましたが、2017年の年末頃に通貨を買った人は暴落を避けられなかったのではないでしょうか。
時期の選択のよしあしは2分の1の確率なのです。
税金面で見ても、仮想通貨はおいしくありません。
本記事を書いている2018年3月時点で、仮想通貨の収益に対する税金は「雑所得」しかも「総合分離課税」という、投資家にとっては、全く嬉しくないルールが敷かれています。(FXは雑所得で申告分離課税なので、まだマシです。)
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(仮想通貨の利益は雑所得に決定!税金面ではFXよりも得なのか?)
将来的には改善されていく可能性も高いですが、現時点では、仮想通貨は、資産運用や投資とはかけ離れた「投機」であると言わざるを得ません。
つまり、儲かるか儲からないかは、収益性だけでなく、安全性や流動性、税制、タイミングなども加味しながら、さまざまな要素を包括的に判断しなければならないのです。
不動産投資の例
「不動産投資って、面倒なので、やらないほうが賢明だよね。」
たしかに、不動産は購入するときの手続きや、入居者とのトラブル、空室リスクなど、面倒なことが多いのも事実です。
しかし、長期間保有することによる節税効果や生命保険の減額効果、家賃収入のキャッシュインなど、いい点もたくさんあります。
管理の煩わしさも、管理会社に丸投げすれば、オーナーがすることはほとんどありません。
多少、面倒でも、一歩踏み出して見ると、不動産投資の恩恵を受けることができます。
私の経験上、不動産投資の否定派は、やったことがない人が多いです。
不動産という言葉だけで、「リスクが高い」「面倒そう」というイメージがつきまとっているからでしょう。
ちなみに、私は、仮想通貨も不動産投資も経験済みです。
シンプルの意味とは?
「仮想通貨=儲かる」「不動産投資=面倒」という意見に対して、さまざまな要素を、きちんと思考した上での判断であれば、問題ありません。
しかし、誰かから聞いた分かりやすいイメージだけで発言しているのであれば、単なる思考停止と言わざるを得ません。
ややこしい話や長い話をすると、すぐに「シンプルがいいよ。」という人がいます。
長い話を聞いた上で、それを簡単にまとめてくれるのであれば何も問題はありません。
しかし、ただ単に、長い話を聞くのが面倒だからシンプルがいいと思うケースが、なんと多いことか。
私は、シンプルにすること自体が目的なのではなく、複雑な思考の末に至ったものが、たまたまシンプルになるのだと考えています。
つまり、シンプル→ベストではなく、ベスト→シンプルなのだと思っています。
私は10種類以上の副業に加えて、ブログも不動産も金融商品も、1つではなく複数を運営しています。
このことを他の人に言うと、大変そうだとか、複雑すぎるとか、よく言われます。
しかし、私自身としては、さほど手はかからず、極めて合理的な分散投資であると思っています。(この点は人それぞれ考え方は異なると思いますが。)
「シンプル イズ ベスト」を口癖にしている人は、ややこしい話に関わりたくない人が多いように見えます。
私は、シンプルというのは、本質を見ながら不要なものを削除することであると思っています。
本質を見ないで削除する、もしくは複雑なことから逃げることが「シンプル イズ ベスト」の本来の意味ではないと思っています。
このため、一度は複雑なものを思考することに直面するのです。
私は、本当に美しいシンプルというのは、思考過程がシンプルなのだと思っています。
表面的に、対象を削除することは、単に考えることが面倒くさいだけなのではないでしょうか。