消えた日本振興銀行…!金融市場から姿を消した銀行から我々が学ぶこととは?

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今から十数年前、2000年代半ば頃のことでしょうか。

当時、日本振興銀行という銀行が存在していました。

この名前を聞いてピンとくる人は、経済にかなり詳しい人なのではないでしょうか。

しかし、2018年現在、日本振興銀行という銀行は、もう存在していません。

今回は、この消えた銀行を振り返ることで、基本的な銀行の仕組みについて、見ていきたいと思います。

私が日本振興銀行を知ったきっかけ

2000年代半ば、私は、金融雑誌や金融に関する本を読み漁っていました。

銀行の普通預金・定期預金の金利や、投資信託の利回りなど、興味津々で情報収集していました。

当時は、大手の都市銀行よりも、振込手数料の安さや簡便さから、ネット銀行の台頭がすさまじかった記憶があります。

そんな中、私は、とある雑誌の中で、日本振興銀行という、新しい銀行があることに気づきました。

私が、この銀行に着目した理由は、ありえないくらいの高い金利にありました。

他の銀行の定期預金金利が0.3%程度だったのに対して、日本振興銀行(定期預金のみ)の金利は2%をはるかに上回っていました。

さらに、株式や投資信託クラスの収益性を保っているにもかかわらず、ペイオフ対象でもありました。

ペイオフというのは、銀行が破綻しても1000万円までの預金とその利息が保護されるセーフティネットのことを指しています。

金融商品を評価する3要素のうち、安全性と収益性の面で、トップクラスに優れていたのです。

参考:家計管理の必須ツール…金融商品を評価する3つの視点をおさえよう!

私は、日本振興銀行に惹かれていき、創始者である木村剛氏の著書なども読みました。

木村剛氏は、当時の日本経済を支えていた竹中平蔵氏路線の人物でした。

「こんなにえらい人が経営する銀行ならば、お金を預けても安心だろう。」

最初、私はこのように思っていました。

しかし、

「お金の話に、甘くおいしい話はない。」

というセオリーも私の中には混在していました。

「日本振興銀行は、なぜ、こんなに高い金利をつけることができるのだろう?」

私は、一瞬立ち止まり、いろいろ考えていきました。

銀行が儲かる仕組み

まず、基本中の基本として、銀行が儲かる仕組みについて、見ていきたいと思います。

銀行は、我々国民から、お金を預かるだけの業務をしているわけではありません。

預けてくれたお礼に、我々には利息をつけてくれますが、それだけではビジネスになりません。

では、銀行はどうやって儲けているのでしょう?

お分かりですよね。

我々から預かったお金は、銀行の中で寝かされているのではなく、資金を必要としている企業に貸し付けているのです。

すると、貸し付けた企業から金利収入を受け取ることができます。

仮に、企業へ貸し付けたお金の金利が3%で、我々国民に支払う預金金利が1%だと仮定すると、差し引き2%が銀行の儲けになるわけです。

簡単ですが、まずはこの点を押さえておきましょう。

日本振興銀行の仕組み

では、日本振興銀行について、見ていきたいと思います。

2000年代半ば、銀行は、企業に対して、あまりお金を貸したくない風潮でした。(貸し渋りと批判されていました。)

そうしたことを背景に、木村剛氏は、

「資金繰りに苦しむ中小企業に対して、きちんとお金を貸してあげる銀行が必要でしょう!」

と主張し、日本振興銀行を設立しました。

つまり、日本振興銀行は、弱者の味方として、立ち上がったのです。

「なんて、いい人なんだろう!」

ここだけ聞けば、そう感じる人も多いと思います。

しかし、そんなにうまい話はありません。

日本振興銀行は、資金繰りに苦しむ中小企業に対して、お金を貸してあげる代わりに、高い金利を要求していたのです。

リスクの高い取引先に対して、高い金利を要求するのは、市場原理そのものです。

普通の銀行は、貸し倒れリスクの高そうな中小企業にお金は貸しませんが、日本振興銀行は、高い金利でいいのであれば、お金を貸してあげたのです。

すると、日本振興銀行は、高い金利収入を得ることができます。

そこで、我々国民に対して、高い利息を支払っても、利益は残るというスキームです。

我々国民から預かる預金に関しても、日本振興銀行は、いつでも引き出せる普通預金はなく、定期預金に限定していましたので、貸し倒れリスクの高い中小企業にお金を貸しやすくしていたのだと思われます。

日本振興銀行の破綻

このようなビジネスモデルで、金融市場に殴り込みを果たした日本振興銀行でしたが、その寿命は長くありませんでした。

①貸し倒れリスクの高い中小企業に貸したお金の貸し倒れ
②当初の経営理念と、ずさんな経営とのギャップ
③集客目当ての高金利が経営を圧迫
④木村剛氏本人による、メール隠蔽・検査妨害問題

などを理由に、日本振興銀行は経営が悪化していきました。

そして、2010年に、何千億円の債務超過により、日本振興銀行は破綻してしまいました。

このときに、日本で初めて、ペイオフ制度が実行されたのは、記憶に新しいところです。

日本振興銀行の定期預金に預けていたお金が守られたのです。

ペイオフ対象だから安全だと宣伝していたのに、リスクの高い事業をしていたということで、モラルハザード問題として、取り上げられていました。

私が伝えたかったこと

理想的な経営理念を掲げながら、度が過ぎたリスクの高いビジネスモデルにより、破綻の道をたどった日本振興銀行。

ここから、私たちは何を学べばいいのでしょうか。

当時、私は100万円を用意し、日本振興銀行の定期預金に預けようと考えていました。

しかし、裏で行われていた高いリスクを察知し、預け入れるのはやめました。(間一髪で助かった感じです。)

「甘い話にはワナがある!」

「綺麗な話にはウラがある!」

月並みな話ですが、なんでも、すぐに信じるのではなく、ふと立ち止まって、きちんと考えてみることが重要なのだと感じました。

自分で考えても分からないようであれば、ネットで調べるも、有識者に聞くのもアリです。

よく分からない金融商品や保険商品について、自分一人の判断で突き進むことは、極力避けることをおススメします。

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